本記事では、日本のプロボクサー比嘉大吾選手と堤聖也選手について、プロフィールや経歴から両者の関係性、最新の試合動向までを解説します。
読者に有益な情報を提供しつつ、公平中立な視点でまとめています。
Contents
比嘉大吾と堤聖也のプロフィールと経歴
比嘉大吾のプロフィール・戦績・スタイル
比嘉 大吾(ひが だいご)は1995年8月9日生まれ、沖縄県浦添市出身のプロボクサーです。
現在は志成ボクシングジム所属(かつては白井・具志堅スポーツジム所属)で、右のオーソドックススタイルを得意とする強打のファイターです。
身長161cm・リーチ163cmと小柄ながら、その強烈なパンチ力で知られています。
プロ戦績は25戦21勝(19KO)3敗1分。戦績が示す通りKO率が非常に高く、デビュー以来全勝KO街道を突き進んだ時期もありました。
比嘉選手は2017年5月にWBC世界フライ級王座を獲得した元世界王者です。
世界初挑戦で当時の王者フアン・エルナンデスに6回TKO勝ちを収め、13戦連続KOで世界タイトルを手にしました。
その後、WBCフライ級王座の防衛に成功しますが、2018年の防衛戦での体重超過により王座を剥奪され、日本ボクシングコミッションからライセンス一時停止処分を受けました(後に解除)。
この出来事を機に階級をフライ級からバンタム級へ上げ、心機一転再起を図ります。
バンタム級転向後は、2019年にOPBF東洋太平洋バンタム級王座、2020年にはWBOアジアパシフィックバンタム級王座を獲得し、再びタイトル戦線に返り咲きました。
比嘉選手のボクシングスタイルは前に出て強打を振る攻撃型で、相手の懐に飛び込み左右のフックやボディブローで倒しに行くのが特徴です。
「KO率日本人トップクラス」と評されるパンチ力と、打たれても前に出る闘志で観客を沸かせています。
堤聖也のプロフィール・戦績・スタイル
堤 聖也(つつみ せいや)は1995年12月24日生まれ、熊本県熊本市出身のプロボクサーです。
角海老宝石ボクシングジム所属で、現WBA世界バンタム級王者として活躍しています。
身長166cm・リーチ164cmと比嘉選手よりわずかに大きく、利き腕は左ですがスイッチヒッターとして左右どちらの構えでも戦えるスタイルが持ち味です。
プロ戦績は14戦12勝(8KO)0敗2分で無敗を維持しており、2024年10月にはWBA世界バンタム級タイトルを獲得しています。
堤選手はアマチュア時代から高い実績を残しており、アマ通算101戦84勝(40RSC)という輝かしい戦績を引っ提げてプロ入りしました。
2018年にプロデビュー後は順調に白星を重ね、無敗のまま頭角を現します。2022年6月、日本バンタム級王座決定戦で澤田京介選手を8回TKOで下し日本王者となりました。
さらに同年開催の「バンタム級モンスタートーナメント」でも優勝し、一躍国内トップクラスの選手として注目を集めます。
そして2024年10月、有明アリーナで行われたWBA世界バンタム級タイトルマッチに挑戦者として臨み、王者の井上拓真(井上尚弥の弟)を相手に12回3-0の判定勝ち。
高校時代に敗れた相手への12年越しの雪辱を果たし、新WBA世界王者に輝きました。
堤選手のスタイルは技巧と闘志を兼ね備えた攻防型です。スイッチヒッターならではの多彩な角度のパンチと機動力でペースを作りつつ、打ち合いも厭わないハートの強さを持ち味としています。
実際、井上拓真戦でも中盤以降は得意の打ち合いに持ち込み、終盤には連打でロープ際に追い詰める場面も作りました。
その攻撃的な姿勢と粘り強さはファンから「どんな相手でも名勝負にしてしまう」と評価されています。
獲得タイトルも輝かしく、堤選手は第75代日本バンタム級王者、WBA世界バンタム級王者に加え、国内トーナメント優勝など実績を重ねています。
一方、ニックネームは「アメカジボクサー」とユニークで、これは私生活でアメカジ(アメリカンカジュアル)ファッションを好むことに由来します。
趣味はカフェ巡りと公言しており、リング外では穏やかな人柄で知られています。
こうした一面も含め、堤選手は近年の日本ボクシング界で最も期待される新星として注目を浴びています。
両者の関係性と過去の対戦・交流
比嘉大吾選手と堤聖也選手は高校時代からの親友同士です。
ともに1995年生まれで年齢が近く、アマチュアボクシングの高校大会などで顔を合わせ拳を交えた間柄でした。
当時からお互いの才能を認め合い、良きライバルでありながら私的にも仲が良かったといいます。
熊本出身の堤選手と沖縄出身の比嘉選手は進学先も異なりますが、全国大会などで切磋琢磨し合ったことで強い友情とリスペクトが芽生えました。
プロ転向後、両者は別々のジムに所属し異なるキャリアを歩んでいましたが、その関係性は続きました。
初めてプロのリングで対戦したのは2020年10月26日、東京・後楽園ホールで実現した直接対決です。
この試合は元世界王者の比嘉選手にとって再起戦、無敗ホープの堤選手にとって大きな試金石となりましたが、結果は10回を戦い抜いてのドロー(引き分け)でした。
判定は0-1(94-96、95-95×2)と割れる大接戦で、比嘉選手の強打に堤選手が耐え、堤選手の手数に比嘉選手が応じるという激しい内容でした。
この試合後、互いの健闘を称え合った二人はリング上で抱擁を交わし、改めて友情の深さを感じさせました。
試合後もプライベートでの交流は続き、比嘉選手の世界戦での勝利時には堤選手がSNSで祝福メッセージを送ったり、逆に堤選手の試合前に比嘉選手が激励したりと、親友ならではのエピソードが語られています。
比嘉選手が減量失敗で苦しんでいた時期や一時引退を口にした際にも、堤選手は連絡を取り合い支えとなっていたそうです。
そして2025年2月24日、両者にとって2度目の直接対決が実現します(詳細は次章参照)。この試合はWBA世界バンタム級タイトルマッチという大舞台での同級生対決となりました。
試合前のインタビューで、堤選手は比嘉選手を「親友」と呼びつつ、「今回は比嘉大吾の最後の試合にする覚悟で、自分が介錯を務める」と発言しています。
これは、前戦敗北後に一度引退を示唆した比嘉選手が、この試合を機に本当に引退するかもしれないという状況を踏まえ、「親友として最後は自分がきっちり終わらせる」という覚悟を示したものです。
普段は仲が良い二人ですが、リングに上がればお互い一歩も引かないという真剣勝負の証でもありました。
実際の2025年2月の再戦でも、二人の間には激闘の末に強い絆が浮き彫りになるシーンがありました。
試合後、堤選手と比嘉選手は抱き合って健闘を称え合い、なんと比嘉選手が堤選手の左頬に軽くキスをする場面もありました。
血だらけになりながら戦い抜いた親友に対する最大限のリスペクトと愛情表現であり、この微笑ましくも感動的なシーンに会場は大きな拍手に包まれました。
堤選手自身も後にインスタグラムのストーリーでその写真を公開していますが、ファンからは「この写真泣ける」「男の友情に心打たれた」といったコメントが殺到しました。
二人は試合後のインタビューで「大吾、ありがとう。強かったよ」(堤)、「聖也とは高校の頃から戦友です」(比嘉)と語り合い、互いへの感謝と敬意を表明しています。
このように、比嘉大吾と堤聖也はリング上では全力でぶつかり合うライバルであり、リングを降りればお互いを思いやる親友という特別な関係性にあります。
その絆の深さはファンやメディアの間でも度々話題となり、日本ボクシング界における理想的な友情物語として語られています。
最新の試合情報とボクシング界での評価
2025年2月24日 WBA世界バンタム級タイトルマッチ
直近の大きな出来事として、2025年2月24日に東京・有明アリーナで開催されたWBA世界バンタム級タイトルマッチがあります。
この試合は王者・堤聖也選手に元世界王者の比嘉大吾選手が挑む形で行われ、日本人同士による注目の世界戦でした。
結果は既報の通り、両者譲らず引き分けという劇的な結末となりました。試合は序盤から互いに持ち味を発揮し、比嘉選手が鋭い左フックやジャブで先手を取れば、堤選手も右ストレートやボディへの連打で反撃するといった緊迫した展開が続きました。
特に圧巻だったのは第9ラウンドです。中盤まで徐々に距離を詰めていった堤選手に対し、比嘉選手はじりじりと下がりながら好機を伺い、9回に入ると堤選手の放った右アッパーを空振りさせて左フックをクリーンヒット。
堤選手はキャリア初となるダウンを喫します。
倒れた堤選手でしたが落ち着いて立ち上がり、ここが正念場とばかりに襲い掛かる比嘉選手の攻撃を凌ぎます。
すると今度は堤選手がカウンターの右ストレートを鮮やかに一閃し、前のめりに突進してきた比嘉選手を捉えてダウンを奪い返しました。
9回だけでお互いにダウンを奪い合うという劇的な展開に観客は総立ちとなり、場内は興奮の渦に包まれます。
その後、10回以降は堤選手が一気に勝負をかけるも、比嘉選手もガードを固めて立て直し、11~12回は最後の力を振り絞った激しい打ち合いとなりました。
最終的に判定は三者三様114-114が揃い、引き分け(ドロー)が宣告されます。
堤選手は初防衛に辛くも成功し、比嘉選手は勝利こそ逃したものの、敵地で王者を相手に互角以上の戦いを演じました。
記録上、堤選手は戦績を12勝8KO3分(無敗)に伸ばし初防衛達成、比嘉選手は21勝19KO3敗2分となりまたしても二階級制覇は持ち越しです。
試合直後、両者とも疲労困憊の中で笑顔を見せ、「最高の試合だった」「二人とも本当によく頑張った」という声があがる名勝負となりました。
この試合内容について、ボクシング関係者や各メディアからも高い評価が寄せられています。
試合前にはブックメーカーのオッズで堤有利と予想されていましたが、蓋を開けてみれば互いの意地とプライドが真っ向からぶつかり合う五分の展開となり、専門誌「ボクシングビート」などは「激闘必至のカードが期待通りの死闘に」「年間最高試合級の名勝負」と報じました。実際、**「日本ボクシング史に残る激闘」**との声もあり、9ラウンドのダウン応酬のシーンは2025年のベストラウンド候補だとする論評もあります。
堤選手は試合翌日の会見で「なんとか生き残って安心。でも正直、悔しい。
序盤~中盤で取られすぎた」と語り、試合展開を冷静に反省していました。
ダウンを喫した瞬間も「意外と冷静だった」と振り返り、逆に自分が奪った右ストレートについては「普段の練習通りスムーズに出せた」と手応えを感じたようです。
親友対決がドローに終わったことについては「正直ほっとした部分もあるが、決着がつかなかったのは悔しい」と心境を明かしつつ、「今後もっと強くなるために一旦休みたい」と、まずは体と心をリフレッシュする考えを示しました。
負傷した右目上のカットもあり、しばらく休養を取る見込みです。
一方、比嘉選手は試合直後のインタビューで「9ラウンド以降の記憶がない」と語るほど消耗していましたが、「これで終わりたくない気持ちもある」と現役続行に含みを持たせました。
実は比嘉選手、前戦(2024年9月)の武居由樹とのWBO世界バンタム級タイトルマッチに敗れた際には引退を示唆する発言をしていました。
しかし今回、わずか3か月で現役続行を決意して世界挑戦に踏み切った経緯があり、堤戦での奮闘を経た今、むしろ周囲からは「この内容ならまだやれる」「もう一度チャンスを」といった声が上がっています。
比嘉選手自身も大きな怪我なく戦い抜いたことで自信を深めた様子で、正式なコメントは出ていないものの引退を撤回し今後も再起を目指す可能性が高そうです。
両者の今後の展望
今回ドローという結果になったことで、両者の今後の進路にも注目が集まります。
まず堤聖也選手については、WBA世界バンタム級王座の次戦防衛戦として井上拓真選手との再戦が最有力視されています。
井上拓真選手は前年までWBA王者だった選手であり、堤選手がタイトルを奪取した相手でもあります。
前王者には通常リマッチ権(再戦条項)が契約されているケースも多く、接戦だったこともあり再戦の実現性は高いと見られています。
また、日本同級他団体王者との統一戦の期待も高まっています。
WBC世界バンタム級王者の中谷潤人選手やIBF世界バンタム級王者の西田凌佑選手など、同じバンタム級に世界王者がひしめいており、堤選手自身も「チャンスがあれば統一戦をしたい」と意欲を見せています。
特に中谷選手とは年末の興行で同じイベントに出場し互いに意識し合うコメントも出しており、ファンからは「日本人同士で4団体統一へ」という夢のカードを望む声もあります。
一方の比嘉大吾選手は、今回善戦したことで再評価が進んでいます。
二階級制覇の夢は一旦持ち越しとなりましたが、直近ドローとはいえ世界戦で王者と互角の内容を示したことで、引き続き世界ランキング上位に留まる可能性があります。
WBA王座への再挑戦、もしくは他団体(例えばWBO王座など)への挑戦も視野に入るでしょう。
特に、同じバンタム級で元K-1王者から転向した武居由樹選手との対戦(昨年9月に対戦し比嘉選手が判定負け)をもう一度見たいという声もありますし、国内ライバルの井上拓真選手や中谷選手とのカードもファンにとっては興味深い組み合わせです。
ただし比嘉選手本人は、「今回負けていたら本当に終わりにするつもりだった」と周囲に語っていたとも伝えられ、一部ではトレーナーの野木丈司氏(志成ジム)が「もし負けたらきっぱり身を引く覚悟だった」とまで公言していたとの情報もあります。
そうした背景から、今後については陣営と十分協議した上で決めるものと思われます。
比嘉選手は29歳と選手として円熟期に差し掛かっており、体格面ではバンタム級が限界とも言われます。
減量苦が少ないフェザー級などへの階級転向案も一部で取り沙汰されていますが、本人は「バンタム級で世界を獲る」ことに拘りを見せているため、引き続きバンタム級で世界再挑戦を目指す公算が大きいでしょう。
ボクシング界から見た両者の評価としては、堤聖也選手は「無敗の新王者」として今後の日本ボクシングを背負って立つ存在、比嘉大吾選手は「一度挫折を経験した元王者が這い上がるドラマ」を期待される存在という位置付けです。
専門家からは「堤は技術と対応力に優れ、今後ますます強くなる」「比嘉は衰えを感じさせないパンチ力があり、経験を糧にもう一花咲かせられる」といったコメントが聞かれます。また、両者ともファイトスタイルがアグレッシブで観客を魅了するタイプであるため、**「この二人が揃えばハズレ無し」**との声も多いです。
事実、二人の対戦は2度とも壮絶な殴り合いとなり、「名勝負メーカー同士のライバル関係」として今後も語り継がれることでしょう。
メディアの報道内容とファンの反応
今回の比嘉大吾vs堤聖也の対戦は、日本の主要スポーツメディアやボクシング専門誌で大きく取り上げられました。
試合前から「好ファイト必至の注目カード」としてスポーツ紙やニュースサイトが特集を組み、スポーティングニュース日本版では試合の見どころや勝敗予想を掲載。
専門家による事前予想では堤選手優位との見方が多かったものの、「互いにスタイルが噛み合えば壮絶な打ち合いになるだろう」と分析されていました。
実際、期待以上の激闘になったことで、試合後は各媒体が軒並み称賛の記事を配信しています。
ボクシングニュース(boxingnews.jp)は「堤聖也-比嘉大吾、ダウン奪い合ってドロー」との見出しで速報を伝え、9回の両者ダウンや判定結果を詳細に報じました。
記事内では「両者ともに強い闘志を持つファイターで、互いを知るだけに激しい打ち合いが展開された」「激闘必至の一戦は期待を裏切らぬ名勝負となった」と、試合内容を高く評価しています。
また、ボクシング専門誌「ボクシングビート」でもこの試合を詳細に分析する記事が掲載され、特に9ラウンドの攻防について「近年稀に見るドラマチックなラウンド」と絶賛されました。
RONSPOなどの格闘技系ニュースサイトも「日本ボクシング史に残る死闘」と表現し、ファンのみならず記者陣も感動した様子が伝わってきます。
一方、SNS上のファンの反応も非常に熱量の高いものがありました。Twitter(X)やYouTubeのコメント欄には、「お互いよく倒れずに最後まで戦った」「胸が熱くなる最高の試合をありがとう!」といった賞賛の声が多数投稿されました。中でも試合後の比嘉選手と堤選手の抱擁シーン、そして比嘉選手が堤選手にキスをしたエピソードはファンの心を大きく動かしました。
堤選手が自身のInstagramストーリーにアップした2人の写真が拡散されると、「この写真泣けるって」「男の友情っていいな」「漫画『ROOKIES』や『ろくでなしBLUES』の世界みたいで感動」といったコメントが相次ぎ、深い絆で結ばれた二人の関係性に称賛が送られています。
また、専門家の意見として、元世界王者の内山高志さんがYouTubeチャンネルでこの試合を振り返り「9Rのダウンの応酬は鳥肌もの。二人ともナイスファイト!」と絶賛。
解説者の中には「できれば勝敗がついてほしかったが、この引き分けは二人にとって次への糧になる」と前向きに捉える声もありました。
引き分けという結果については、「判定は妥当」「もう1ラウンド見たかった」「ぜひ決着戦を」と様々な意見が上がりましたが、概ね「素晴らしい内容だったので勝敗以上に価値がある」というポジティブな評価が大勢を占めています。
メディア報道では、堤選手と比嘉選手がお互いに称え合う姿勢やコメントも大きく扱われました。
試合後のインタビューで堤選手が「比嘉選手は本当に強かった。親友として誇りに思う」と語り、比嘉選手も「堤が相手で本当に良かった」と述べたことが記事になっています。
こうしたフェアで爽やかなコメントは読者や視聴者の好感を呼び、**「お互いをリスペクトする二人がさらに好きになった」**というファンの声も多く見られました。
総じて、両者の対戦は試合内容の激しさだけでなく、試合後のスポーツマンシップや友情物語も含めて広く報じられ、ファンからも専門家からも高い評価と温かい反応を引き出しました。
今回のドロー決着については「ある意味、最高の結末」と捉える向きもあり、今後もし再戦(決着戦)が実現すれば更なる注目を集めることは間違いありません。
それだけに、メディア各社も今後の両者の動向を追い続けるでしょうし、ファンも引き続き熱いエールを送り続けることでしょう。
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